薬学教育
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誌上シンポジウム:ろう者・難聴者に対する無意識的なバリアはどこから作られているのか?
社会の中のろう薬剤師
~ろう・難聴薬剤師の役割とは~
柴田 昌彦
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2021 年 5 巻 論文ID: 2020-040

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抄録

ろう者・難聴者が薬剤師免許を取得する道が開かれたのは2001年のことである.免許取得者は増え続け,薬学部に入学するろう・難聴学生も続出している.これまでに薬剤師免許を取得し,社会に出たろう・難聴薬剤師の役割を理解すれば,自ずからろう・難聴薬学生を教育する意義が導き出されるだろう.筆者が考えるその役割とは,ろう・難聴者と聴者との間のコミュニケーションの課題が具体的に明らかになり,当事者の視点でその解決方法を提供することである.1つは服薬指導などにおけるろう・難聴患者–聴医療従事者間の課題で,もう1つは一緒に働くにあたってのろう・難聴薬剤師–聴医療従事者間の課題である.それらの課題や,解決に向けた活動を紹介する.薬学教育にも「文化モデル」の視点で「ろう・難聴」「日本手話」を取り入れてコミュニケーション豊かな薬剤師を輩出して頂ければ幸いである.

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© 2021 日本薬学教育学会
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