2021 年 5 巻 論文ID: 2020-042
大規模クラスであっても効果的な文章指導を行うために,クラウドを活用した協働学修を授業に組み込んだ.クラウドを活用した協働学修では,クラス規模の大きさを逆に利点とするために,ネットワーク上に仮想的な共同作業の場を提供することでディスカッションの活性化を図った.その結果,受講生が互いの意見を見ながら,全員がクラウド内で自身の意見を発するようになり,授業最終回には意見の記入回数も増加するなどディスカッションが活性化されたことを確認した.また,ディスカッションを経て提出したレポートは正答との一致率も高まった.さらに,学生へのアンケート結果からも,SBOに対する達成度が授業回を追うごとに高まり,文章指導における協働学修の必要性の認識も高まるなど,薬学教育における言語表現能力の必要性や重要性に対する気づきが多くの学生へ広がったとの知見を得た.