2021 年 5 巻 論文ID: 2020-043
薬学部では,平成25年度に改訂モデル・コアカリキュラムにおいて災害時医療に関する項目が必修化された.摂南大学枚方キャンパスではこの分野に対するアプローチとして,大規模地震発災後における大学の災害初期対応力の向上に主眼を置いた実働型防災訓練を学部教育と融合して実施している.2019年度は近隣地域住民の避難を想定した避難所運営訓練,傷病者の救護・看護等の初期対応を行う救護所運営訓練,初期消火訓練,情報伝達訓練を実施した.訓練の評価,改善を目的として匿名のアンケートを実施し,訓練の必要性や災害時医療教育について教職員と学生の2群間で比較した.その結果,現在の学生が災害時医療教育に対して積極的である傾向が見られた.防災訓練に協働して取り組むことで,教職員がロールモデルとして災害時の行動を示すだけでなく,実際の災害時を想定した役割を疑似体験から学ぶことも可能となる.