2022 年 6 巻 論文ID: 2021-038
COVID-19の感染拡大により始めたオンライン教育は我々に新たな教育上の選択肢を与えた.しかし,オンライン教育の学生からの評価については丁寧な調査と分析を行う必要がある.本研究では,2020年度を通して,様々なオンライン授業及びCOVID-19流行下での対面型の授業を経験した摂南大学薬学部の1~4年生にアンケート調査を行い,特定の科目や学年に限らない総論的な薬学部生のオンライン授業への評価を調査した.アンケートは2021年3月に無記名方式でGoogleフォームを用いて行い,1~4年生それぞれ,123人(53%),128人(62%),90人(41%),62人(29%)から回答を得た.薬学生のオンライン授業への総論的な評価は,学習領域によって捉え方が大きく異なっていることが明らかとなった.特に,知識領域の学習では対面型よりも高い支持と自己効力感があることも示唆された.今後は領域や目標,学習者の属性に最適化された,オンライン授業も含めた授業デザインを検討する必要がある.