薬学教育
Online ISSN : 2433-4774
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実践報告
薬学部新入学生に対するオンラインによるスモールグループディスカッションの試みと授業評価から見えた有用性
辻本 貴江安原 智久江原 里佳中川 左理橋本 保彦辰見 明俊池村 舞前田 光子
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2023 年 7 巻 論文ID: 2022-054

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抄録

COVID-19の拡大は大学教育の形態を変化させ,オンライン授業が多くの大学で導入された.本学では,2019年度より1 年次生に対しSGDを取り入れた「多職種連携と社会貢献」のプログラムを実施したが2020年度以降のオンライン化の中で,本プログラムもSGDを取り入れた学習方略を継続するため,オンラインでのSGDを選択した.しかし受講生がオンラインSGDにおいて対面SGDと同様の満足度,理解度が得られるかについての報告はなかった.そこで我々は,2021年度1年次生に対するオンラインSGDと2019年度の対面SGDの授業評価を比較し,オンラインSGDの効果を検証した.授業に対する満足度は両群で大きな差は見られなかった(p = 0.131).理解度は対面SGD受講生よりもオンラインSGD受講生が高いスコアをつけた(p = 0.004).知識習得を目的とするSGDについては,オンラインSGDが対面SGDよりも効果的であった.学習方略を検討する上でオンラインSGDは1つの選択肢となりうることが示唆された.

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© 2023 日本薬学教育学会
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