2011年の東日本大震災における薬剤師の活動を契機として,災害時に必要とされる薬剤師の活動内容や薬学部での教育手法について具体的な経験事例が集積されてきているが,薬学生が感じている災害時の薬剤師活動についての報告はない.そこで今回,薬学生に対する効果的な災害教育を見出すために,薬学生に対して災害時の薬剤師活動に関する意識調査を実施した.結果として,災害現場への出動要請を受けた際に参加したいとする回答に有意に影響した因子は,1年生であるということ,また,その回答に影響した因子として「薬剤師は災害時の活動に参加する義務がある」,「薬剤師は災害時の活動で役に立つ」や「患者の話を聞いて心のケアに徹することは災害時の薬剤師活動である」とするものであった.従って,災害時に薬剤師が必要な義務感や貢献感,精神面のケアを行う必要性や実施方法に関して,薬学教育を充実させることが今後起こりうる災害救護活動の促進に繋がると思われる.