2023 年 7 巻 論文ID: 2023-025
学生の能動的な学修意欲の涵養につなげるために,1年次前期開講科目「薬学化学入門」に濃度・単位をテーマとしたグループワークを取り入れた.入学直後から学生が疑問を他者と気軽に共有し,楽しみながら学修できる契機にするとともに,その効果を検証した.参加者の感想を分析した結果,「違う-考え方-知れる」,「いろいろ-意見-聞ける」,「濃度-計算-理解」などの語句が共起していた.プレ・ポストテストの結果では,グループワークにより回答者の43%で得点が上昇し,有意差が認められた.さらに,プレ・ポストアンケートの結果を解析したところ,濃度および単位それぞれについて,回答者の29%と40%が苦手意識を改善していた.実施したグループワークの効果が明らかになったため,今後テーマの選定を工夫し,グループワーク後に個別の学修支援を組み合わせることで,化学に対する学修意欲のさらなる向上につながることが示唆された.