薬学教育
Online ISSN : 2433-4774
Print ISSN : 2432-4124
ISSN-L : 2433-4774
実践報告
薬学部1年次生の化学への学修意欲を涵養するグループワークの実践と効果
刀根 菜七子石川 さと子三島 健一冨田 陵子松末 公彦
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2023 年 7 巻 論文ID: 2023-025

詳細
抄録

学生の能動的な学修意欲の涵養につなげるために,1年次前期開講科目「薬学化学入門」に濃度・単位をテーマとしたグループワークを取り入れた.入学直後から学生が疑問を他者と気軽に共有し,楽しみながら学修できる契機にするとともに,その効果を検証した.参加者の感想を分析した結果,「違う-考え方-知れる」,「いろいろ-意見-聞ける」,「濃度-計算-理解」などの語句が共起していた.プレ・ポストテストの結果では,グループワークにより回答者の43%で得点が上昇し,有意差が認められた.さらに,プレ・ポストアンケートの結果を解析したところ,濃度および単位それぞれについて,回答者の29%と40%が苦手意識を改善していた.実施したグループワークの効果が明らかになったため,今後テーマの選定を工夫し,グループワーク後に個別の学修支援を組み合わせることで,化学に対する学修意欲のさらなる向上につながることが示唆された.

著者関連情報
© 2023 日本薬学教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top