2021 年 10 巻 2 号 p. 53-61
目的:集団凝集性の構造及び集団凝集性に関連する要因をもとに,介護予防を目的とした高齢者自主グループにおける集団凝集性の実態を明らかにすることを目的とする.
方法:自主グループに参加する65歳以上の者270名に質問紙調査を実施した.項目は属性,グループの特性,集団凝集性,グループ活動への参加意欲で構成した.
結果:調査票は回収数227部,有効回答数194部(有効回答率71.9%)であった.因子分析の結果,集団凝集性は4因子11項目で構成され,因子はグループ活動に対する魅力,強固な連帯感,メンバー同士のつながりの強さ,目標への協力体制と命名した.また,集団凝集性の各因子は性別,年齢,主観的健康感に有意な関連が認められた.
考察:自主グループの参加者は,活動自体や参加者同士の交流をもとに凝集していることが示された.また,年齢や健康状態に合わせた活動を展開していく必要性が示された.