2015 年 4 巻 2 号 p. 139-147
目的:発達障害者支援法により,地方自治体では,支援体制の基盤整備が進んでいる.A県B町の発達障がい児支援基盤整備(就学前幼児教育期)に関して,保健師が発達障がい児支援コーディネーターとなり,「発達障がい児支援ネットワーク事業」をB町第4次総合計画の中間見直しを契機に進めた.その第一段階として2010~2012年(平成22~24年度)の3年間の事業を振り返り,事業推進における保健師の役割,今後の母子保健活動と就学前の幼児教育の連携のあり方と今後の課題について検討した.
結果:新規事業の「巡回相談」「発達相談」「4歳児発達相談」「個別支援計画策定」等の実施にあたり,保育者と保護者,保護者と心理士等の関係性の構築が重要であり,その間接的支援者として保健師の役割は重要であった.
今後の課題:スクリーニングの標準化(1歳半・3歳児健診,4歳児発達相談)と保育者・保健師のスキルアップ,事業の継続に関する関係機関の連携体制の強化が必要である.