日本公衆衛生看護学会誌
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研究
近隣苦情・相談において保健師が困難ケースと認識した精神障害者の特徴
―医療につながった者とつながらなかった者の比較―
吉岡 京子黒田 眞理子蔭山 正子
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2017 年 6 巻 1 号 p. 28-36

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抄録

目的:近隣住民等からの苦情・相談(近隣苦情・相談)で保健師が困難ケースと認識した精神障害者と,それを契機に医療につながった者の特徴を解明する.

方法:全国53自治体の精神保健担当保健師261人に無記名自記式郵送調査を行い(有効回答率39.6%),ロジスティック回帰分析を行った.

結果:医療につながった者は156人(59.8%)で,医療につながったことに有意な関連が見られたのは,属性では男性であること,家族要因では精神科医療機関受診時に親族の協力が得られたこと,精神科要因では不潔な身なりと自傷のおそれがあることであった.

結論:精神障害者のセルフケア能力の低下への着目は,早期受診の一助になると考えられる.

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© 2017 日本公衆衛生看護学会
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