2020 年 9 巻 1 号 p. 10-17
目的:市町村保健師が行う子ども虐待ハイリスク家族に対する関係機関との連携の取り組みを明らかにする.
方法:虐待ハイリスク家族に対して関係機関と連携して支援を行った経験のある市町村保健師6名に半構造化面接を行い,データを質的記述的に分析した.
結果:保健師は連携の必要性を的確に判断し【連携相手と手を組む】ことを積極的に行っていた.複雑な背景をもつ母子と関係機関が確実につながるよう両者に働きかけ【下地を整えつなぐ】ことを行っていた.【協働支援の体制をつくる】取り組みをし,母の意向を尊重しながら【虐待予防に向けた協働支援】を行い,【協働支援の評価】を実施していた.また日頃の活動を通して【円滑な連携に向けた土台づくり】を行っていた.
考察:保健師は,効果的に連携を行うため日頃の活動から信頼関係構築を図るように心がけていた.また,困難感を伴う支援に対し職場内外からのサポートの有無が重要であると示唆された.