日本公衆衛生看護学会誌
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研究
ポピュレーションアプローチ事業に見られる保健師が行う個別支援の特徴
―生活習慣病予防の運動普及事業より―
丸谷 美紀雨宮 有子細谷 紀子
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2020 年 9 巻 1 号 p. 2-9

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抄録

目的:生活習慣病予防の運動普及ポピュレーションアプローチ事業(以下事業とする)実施場面における保健師による個別支援の特徴を明らかにする.

方法:3市の事業実施場面を参加観察し,個別支援の対象,機会,内容を分類整理した.

結果:個別支援の対象は参加者・参加者の家族・居合わせた住民,機会は「事業準備中に保健師から声をかける」等であった.内容は,参加者へは【個々の心身の状態に応じた安全で効果的な運動参加・継続支援】等,参加者の家族は【参加者を含む家族の健康と運動継続の支援】,居合わせた住民へは【事業拡大を意図した運動普及の支援と健康支援】等に分類された.

考察:看護の基本と地域住民の健康に対する責任に基づき,事業準備から終了後まで,個人と環境へ働き掛けて,安全・効果的で主体的な運動習慣の定着を図り,ハイリスクアプローチを補完し,参加者以外との接点をも好機と捉えて運動普及・健康を支援する特徴が得られた.

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