日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
キュウリべと病菌の胞子形成力の日変化および胞子形成に及ぼす光線の影響について
梶原 敏宏岩田 吉人
著者情報
ジャーナル フリー

1959 年 24 巻 2 号 p. 109-113

詳細
抄録

キュウリべと病の新しい病斑を6 a.m. から翌日の3 a.m. まで3時間ごとに採り湿室に入れ, それぞれ23∼24°Cの暗黒下, 螢光々線下 (照度300Lux), タングステン光線下 (4000Lux) におき, 胞子形成の有無を調べ, 胞子形成力の日変化および胞子形成と光線の関係を明らかにしようとした。その結果,
(1) 上述のいずれの条件下でも, 胞子形成力に日変化が認められ, 9 p.m., 12 p.m. に採葉したものが, 胞子形成が早く, かつ良好であつた。
(2) 暗黒下においたものは3∼12時間後にすべて多量の胞子を形成するが, 形成に要する時間は12 p. m. に採葉したものが3時間で最も短く, 9 a.m., 12 a. m. に採葉したものが最も長く12時間を要した。中間の時刻では形成時間は段階的に変化している。
(3) 螢光々線下においたものは9 p.m., 12 p.m. にとつた病斑は暗黒下と殆んど同じように胞子を形成したが, 他の時刻に採葉したものは24時間後に至るも胞子を形成しないか, 非常に形成が少い。しかも分生子梗は非常に長くなり, 分岐も少ない。
(4) タングステン光線下では螢光々線下に比し, 9 p.m., 12 p.m. に採葉したものが胞子形成量が僅かに劣る以外は殆んど同一の結果が得られた。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top