日本植物病理学会報
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オオムギ斑葉モザイク病ウイルスの抗原性について
村山 大記横山 竜夫
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1962 年 27 巻 1 号 p. 37-43

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抄録
1. オオムギ, コムギおよびトウモロコシを寄主植物としてオオムギ斑葉モザイク病ウイルスに対する抗血清を得た。
2. 硫安塩析法による精製ウイルスを注射して得た抗血清は, ウイルスに対する抗体とともに, 正常植物成分に対する抗体をも産生した。
3. 分画遠心法による純化ウイルスを注射して得た抗血清のうち, 寄主植物をオオムギとした場合はウイルスに対する抗体のみを産生したが, コムギおよびトウモロコシを寄主植物とした場合にはウイルスに対する抗体と正常植物成分に対する抗体とを生そじた。
4. オオムギとコムギおよびコムギとトウモロコシの植物成分間に血清反応の結果から類縁関係が認められたが, オオムギとトウモロコシの間にはその関係は認められなかつた。
5. 上述の2つの純化法のうちオオムギを寄主植物とする場合には分画遠心法によつて比較的純化された抗原 (免疫原) を得ることができた。
6. 免疫に用いた罹病植物と同種の健全植物粗汁液にて吸収試験を行ない健全植物成分に対する抗体を吸収することができた。
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