日本植物病理学会報
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クワモザイク病の病徴発現と温度との関係
第2報 ヒダ葉と糸葉の比較
石家 達爾河上 双葉
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1966 年 32 巻 4 号 p. 210-214

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抄録
ワクのモザイク病のうち糸葉とヒダ葉の罹病桑苗について,30°C, 23°Cおよび15°Cの各温度下で現われる病徴の種類および程度を比較観察した。
糸葉の材料からは少数の輪紋症状が現われたほかはすべて糸葉でヒダ症状は全くみられなかつたのに対し,ヒダの材料からはヒダ,輪紋,黄斑の各症状が現われたが糸葉はみられなかつた。
発病程度と温度との関係では糸葉とヒダ葉とで著しくことなつた。ヒダのうち滋賀県の材料では発病程度が低く温度との関係を論ずることはできなかつたが,群馬県の材料では23°Cと15°Cとで顕著な発病を示し30°Cではほとんどmaskした。それに対して糸葉の材料では23°Cがもつとも発病激しく次いで30°Cであつたが,15°Cでは病徴はほとんどみられなかつた。
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