日本植物病理学会報
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Phytophthora capsiciの遊走子の運動に関する研究
II. 照度計による遊走子集泳状態のとらえ方
桂 〓一宮田 善雄宮越 盈
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1967 年 33 巻 1 号 p. 23-26

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抄録
疫病菌遊走子の走性現象の解析上,遊走子の泳ぎ集まる状態(集泳状態)を的確に把握する必要に迫られ,暗視野照明装置と照度計を組合わせた新しい測定法を案出した。暗視野照明のためには,ニコン干渉位相差装置の輪状しぼりを利用し,また,照度計として顕微鏡写真用露出計を代用した。暗視野照明下において,遊走子は輝く粒子として認められるから,その光量を照度計により測定し,時間的あるいは位置的に,その変動を調らべ,遊走子の集泳状態をグラフ上に曲線として表わしたものである。スライドグラスとカバーグラスを組合わせた小さな観察用セル中に,遊走子けんだく液を満たし,植物根,白金電極または植物汁液を充填したガラス細管を挿入して,各場合に起る様々の遊走子集泳状態について,本法を応用し,ほぼ満足すべき結果を得た。今後は本法を実際に用いて,遊走子の走性のメカニズムの解明に役立てることになろう。
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