日本植物病理学会報
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ジャガイモ培養組織への疫病菌侵入の観察
山本 昌木北見 和光
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1971 年 37 巻 1 号 p. 58-62

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抄録

1. 2, 4-D 2ppm添加Murashige and Skoog培地上で形成されたジャガイモカルスを観察した。農林1号や男爵薯ではfragile callus,種間雑種96-56ではfragile callusとcompact callus,種間雑種SH-469ではcompact callusが形成された。
2. 疫病菌Race 0, Race 1接種区とも,農林1号,男爵薯では,9-12時間で褐変がいちじるしく,原形質流動も活発であった。
3. 種間雑種96-56, SH-469では疫病菌Race 0, Race 1接種区とも6-9時間で褐変がもっともいちじるしく,原形質流動も活発であった。
4. 非親和性感受体・病原体の組合せで過敏型,親和性感受体・病原体の組合せで罹病型の病斑が認められた。
5. 振盪培養で得られた遊離細胞に疫病菌が侵入しても褐変が認められなかった。
6. 農林1号DNAフラクションで処理した種間雑種96-56のカルスに,疫病菌Race 0を接種したところ12時間後に過敏型と罹病型の病斑が認められた。

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