日本植物病理学会報
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イネ白葉枯病に関する研究(I)
感染にともなうイネ葉の炭水化物,窒素化合物,リン酸化合物の変動
三沢 正生宮崎 栄一郎
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1972 年 38 巻 5 号 p. 375-380

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抄録

本報告は稲白葉枯病罹病にともなう水稲葉の炭水化物,窒素化合物,リン酸化合物の変動について述べた。
1) 炭水化物罹病初期で全糖の含有率増加が認められたが,罹病後期では全糖の含有率はむしろ健全葉より低下する。粗でんぷんはいずれの時期でも罹病葉で含有率が高い。また,全炭水化物およびヘミセルロース系炭水化物は罹病により若干低下する。
2) 窒素化合物罹病葉では水溶性蛋白態窒素および非水溶性蛋白態窒素の低下が顕著で,逆にアンモニア態窒素の増加が認められた。罹病が進行するにしたがって,全窒素が減少した。水溶性蛋白質を分子量の大小に分画して定量すると,分子量10万以上の,特にFraction I蛋白質部分の減少が観察され,一方分子量3万以下の低分子蛋白質の割合が増加した。
3) リン酸化合物罹病初期で酸溶性リン,無機リンの増加が認められた。全リン,不溶性リンは実験期間中では常に罹病葉で含有率が高い傾向にあった。

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