日本植物病理学会報
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Alternaria属菌によるテヌアゾン酸産生とその病理学的評価
木下 忠孝蓮仏 由美子Islam D. KHAN甲元 啓介西村 正暘
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1972 年 38 巻 5 号 p. 397-404

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抄録

Alternaria kikuchianaおよびA. maliの宿主特異的毒素の研究中,それらの培養ろ液中に比較的多量の非特異的な毒性を示す物質の存在を知った。単離,精製の結果,それがテヌアゾン酸(Tenuazonic acid)であることを確認した。
A. kikuchianaおよびA. maliにおいて,宿主特異的毒素の産生能とテヌアゾン酸産生能の関連性をみるため,前者では88菌株,後者では53菌株を用いて調査した。結果は,両病原菌とも,両物質の同時産生菌株がかなり認められた。テヌアゾン酸は,リンゴあるいはナシ葉に対して,125ppm前後まで黒色壊死斑を形成した。しかし,その毒性は宿主特異的ではなかった。
引き続き,Alternaria属菌185菌株を用いて,さらに同属内におけるテヌアゾン酸産生の範囲を検討した。その結果は,上記2種のほかに,A. citri, A. japonica, A. longipes, A. oryzaeおよびA. tenuisにおいてもその産生が認められ,Alternaria属内でかなり普遍的に産生されているものと思われた。

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