日本植物病理学会報
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32P β-崩壊のタバコモザイクウイルスの感染性におよぼす影響
高木 康至池上 正人
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1972 年 38 巻 5 号 p. 410-413

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抄録

32Pで標識されたタバコモザイクウィルス(TMV), TMV 1mg当り6×104cpm,は時間の経過にともなって失活し,28日後にはおよそ全体の7/8が失活した。しかし,TMVと32P正りん酸を混合したもの,TMV 1mg当り6×104cpm,ではTMVの失活は認められなかった。また,この極端な失活にもかかわらず,ウィルス粒子の崩壊は電子顕微鏡観察では認められなかった。これらの結果から,32Pで標識されたTMVの失活はTMV粒子にとり込まれたアイソトープの原子変換(32P→32S)によるものであり,β線の影響によるものではないと考えられる。

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