抄録
純寄生性病害であるオオムギうどんこ病においてファイトアレキシン活性が検出された。
発病の全過程において少なくとも2相のファイトアレキシン生産の時期がみとめられる。第1相は接種後12時間頃に検出され,親和性の組合せよりも,非親和性の組合せにおいてより強い活性が生産される。非親和性寄主の第1相ファイトアレキシン生産能と,抵抗性は共に50C, 5分の寄主の乾熱処理によって消失する。第2相のファイトアレキシンは,親和性の寄主の上に形成されたうどんこ病のコロニー周辺部に検出される。レースのちがいによる第2相ファイトアレキシンに対する感受性の相違はみとめられなかった。