1975 年 41 巻 5 号 p. 447-452
Cochliobolus miyabeanusの培地上における子のう殻形成の条件を検討した。Sachs培地を用いた場合,9cmペトリ皿に1.5%寒天として15-20ml分注し,3-4cmに切ったイネわらを1本置床すれば,通常の実験には十分であった。子のう殻の形成は20-24Cの温度範囲で認めたが,この範囲を越えると認められなかった。Sachs培地に置床する植物種と形成との関係を調べた。イネ科植物ではおおむね良好であったが,イネ科以外の植物種では形成の不良な場合がしばしば認められた。
そのほか,Knop,アンズ煎汁(2.5g/l)などの寒天培地,ジャガイモ煎汁(150g, 30g, 3g/l),イネわら煎汁(50g, 10g, 1g/l)などの寒天培地にイネわらを置床した場合に形成が認められた。なお,イネわら煎汁培地(50g, 10g/l)ではイネわらを置床しなくても形成された。
Czapek-糖無添加培地上でも,pH3.7-5.9の場合には,イネわらを置床すれば形成が認められた。Sachs培地にイネもみを置床した場合には,子のう殻の形成がきわめて悪い。これはもみがらによるものであるが,形成不良因子については現在検討中である。