日本植物病理学会報
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41 巻, 5 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 日高 醇
    1975 年 41 巻 5 号 p. 423-424
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 道家 紀志, 冨山 宏平, 西村 範夫, 李 好植
    1975 年 41 巻 5 号 p. 425-433
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    宿主-寄生菌相互作用における特異性の機構を調べるために,ジャガイモ疫病菌のレース0とレース1,ジャガイモ品種のリシリ(R1)と男しゃく(r)を用いて,両者の成分の無細胞系での反応を試みた。ジャガイモ組織磨砕液の20,000×g上清部にある蛋白質を含む成分とレース1とレース0の遊走子磨砕液の10,000×g沈殿成分とが結合反応を起した。その結合反応は,男しゃくよりもリシリで強く,結合反応を起す宿主成分は主として,20,000×g×上清部の100,000×g沈殿部に存在した。この結合反応は,親和性菌の遊走子磨砕液の上清部に存在する成分および遊走子発芽液中の成分により阻害された。これらの無細胞系での相互作用の,宿主-寄生菌相互作用の特異性における意味について考察した。
  • 上山 昭則, 津田 盛也
    1975 年 41 巻 5 号 p. 434-440
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    イネごま葉枯病菌(不完全世代:Helminthosporium oryzae)の完全世代Cochliobolus miyabeanusを培地上で形成せしめた。ふつう,9cmのペトリ皿に流し込んだSachs寒天培地上に3~4cmに切ったイネわらを置床した。イネわらの両側,すこし離れたところに,2菌株を接種し,24C, 25~30日間定温に保った。培養2週間後に,成熟した子のう殻(Pseudothecia)と同程度の大きさの未熟子のう殻が認められる。同時に口孔部の首(ostiolar beak)が伸長しはじめる。この部分の発達伸長と子のう殻内部の子のう,子のう胞子の成熟とは密接な関係がある。成熟した子のう殻などの形態的な性質をIto and Kuribayashi (1927, 1931)のそれと比較すると,一部の数値を除いて,よく一致した。口孔部の首の長さは筆者らの場合,Ito and Kuribayashiの報告した数値の約2倍であった。子のう胞子が塊状に口孔から噴出している場合がしばしば観察され,水中でよく発芽した。
  • P. Ranga REDDY, S.P. RAYCHAUDHURI, Y.P. RAO
    1975 年 41 巻 5 号 p. 441-446
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    PantnagarとGuttackでX. translucens f. sp. oryzicolaに感染したイネの葉からファージSP1, SP2を分離した。両者はプラークの大きさ,不活性化温度がことなる。供試した本細菌15株のうち7株がファージの一つあるいは両者に感受性で,3つのlysotypeに分けた。SP1X. oryzae 30菌株中19菌株を,SP2X. corchoriX. amorphophalliのみを溶菌した
  • 津田 盛也, 上山 昭則
    1975 年 41 巻 5 号 p. 447-452
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Cochliobolus miyabeanusの培地上における子のう殻形成の条件を検討した。Sachs培地を用いた場合,9cmペトリ皿に1.5%寒天として15-20ml分注し,3-4cmに切ったイネわらを1本置床すれば,通常の実験には十分であった。子のう殻の形成は20-24Cの温度範囲で認めたが,この範囲を越えると認められなかった。Sachs培地に置床する植物種と形成との関係を調べた。イネ科植物ではおおむね良好であったが,イネ科以外の植物種では形成の不良な場合がしばしば認められた。
    そのほか,Knop,アンズ煎汁(2.5g/l)などの寒天培地,ジャガイモ煎汁(150g, 30g, 3g/l),イネわら煎汁(50g, 10g, 1g/l)などの寒天培地にイネわらを置床した場合に形成が認められた。なお,イネわら煎汁培地(50g, 10g/l)ではイネわらを置床しなくても形成された。
    Czapek-糖無添加培地上でも,pH3.7-5.9の場合には,イネわらを置床すれば形成が認められた。Sachs培地にイネもみを置床した場合には,子のう殻の形成がきわめて悪い。これはもみがらによるものであるが,形成不良因子については現在検討中である。
  • 大内 成志, 奥 八郎, 中林 英人, 岡 和徳
    1975 年 41 巻 5 号 p. 453-460
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    うどんこ病に対する親和性を異にするオオムギ品種ならびに系統を用いて,接種前乾熱処理効果を調べた。非親和の組合せの場合,45C以上の処理によって感染が成立するようになるが,その程度は組合せによって異なっていた。しかしいずれの組合せにおいても,50Cで10分間処理することにより,一旦誘導された感受性が低下した。またどの温度処理区においても肉眼で認められる程の菌叢形成はなかった。熱誘導感受性は親和性の低いレースに対してより有効であったが,しかしその感染成立頻度は親和性のそれに比較すると低く,非親和菌は少くとも第二次菌糸伸長以前に細胞組織において拒否反応を誘導するものと考えられた。この熱誘導感受性は処理後ほぼ24時間以内に消失し,その速度は一次反応に従がっていた。親和性の組合せにおいても同様な温度処理効果が認められ,45C処理で感染成立頻度は高くなるが,50C 10分処理では再び低下した。
  • 松本 勤, 奥原 英二, 仙北 俊弘, 四方 英四郎
    1975 年 41 巻 5 号 p. 461-466
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    2本鎖RNAに対して特異的に反応する抗PolyA・PolyU-MBSA血清ならびに抗PolyI・PolyC-MBSA血清を用いてイネ萎縮病ウイルス罹病イネ中のウイルスRNAの検出を補体結合反応によって研究した。
    これらの抗血清に対する罹病イネ核酸ならびに健全イネ核酸の反応性を比較したところ罹病イネ核酸はきわめて強い反応を示したが,健全イネ核酸では罹病イネ核酸の66倍の抗原量を用いないと反応が認められなかった。すなわち両者の反応性に顕著な差異が認められた。
    つぎに罹病イネ核酸における強い反応性がRDV-RNAによることを証明するために,メチル化アルブミンカラムによって罹病イネ核酸をRDV-RNA, DNA, tRNA, rRNAの各分画に分け,各各に対する反応性を調べた。その結果,RDV-RNA分画に対して特に強い反応を示すことが確認された。
    したがって,この免疫学的方法によって罹病イネ全核酸からRDV-RNAを分離しなくてもRDV-RNAの検出ができ,さらに,ng単位のごく微量なRDV-RNAが検出できるのできわめて有用な方法である。
  • ナシ黒斑病感染初期における宿主特異的毒素の役割
    尾谷 浩, 西村 正暘, 甲元 啓介, 矢野 清, 瀬野 武治
    1975 年 41 巻 5 号 p. 467-476
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ナシ黒斑病における感染成立機構の解析を目的として,宿主特異的毒素(AK-毒素)の感染初期に果たす役割について検討した。感受性(二十世紀),抵抗性(長十郎)ナシ葉に接種した黒斑病菌の胞子は,1時間で発芽を開始したが,その後の両ナシ葉上での菌の行動には,顕著な差は認められなかった。接種後8∼12時間頃に,病原性菌株の胞子を接種した感受性品種では,表皮細胞への微感染が観察された。病原性菌株の胞子は,発芽とともに徐々にAK-毒素を放出し,接種後4時間では,すでに1胞子当り約100個の宿主細胞を失活させうる毒素量に達した。AK-毒素は,感受性品種に細胞膜透過性の異常増大を引き起こすが,病原性菌株の胞子を接種した感受性品種では,接種後2∼6時間で第一の透過性の増大が,さらに,9時間頃(微感染時)からは,第二の急激な異常増大が認められた。病原性失活菌株の胞子にAK-毒素を加えて接種すると,病原性菌と同様な透過性の増大を引き起こし,宿主細胞における微感染も誘発された。Penicillium citrinumの代謝産物であるシトリニンは,ナシ品種に対してAK-毒素と類似の反応を示すが,シトリニンは,P. citrinum胞子の発芽時には分泌されず,胞子接種によるナシ葉への感染は認められなかった。
    以上の結果から,ナシ黒斑病における感染成立の可否は,胞子発芽直後のAK-毒素によって決定され,AK-毒素による宿主細胞のわずかな細胞膜機能の破壊が,菌の侵入に導くものと推察された。
  • 内藤 秀樹, 赤井 重恭, 越水 幸男
    1975 年 41 巻 5 号 p. 477-491
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. イネ褐色葉枯病菌の分生胞子間融合は,イネ葉上,バレイショ寒天培地上,セロハン上,タマネギ鱗茎表皮上などにおいて容易に見られる。
    2. タマネギ鱗茎表皮上で,多数の分生胞子は小突起,発芽管で相互に融合し,分生胞子複合体を形成する。侵入に関与する菌糸は分生胞子複合体から生じ,その数は複合体を構成する分生胞子数よりも少ない。複合体を構成した分生胞子には内容が空になっているもの,膨大しているものなどがある。
    3. イネ葉上においても多数の分生胞子が融合し,優勢な表面菌糸の伸長がみられる。単独の小さな分生胞子からは表面菌糸は長く伸出することなく,イネ葉組織内への侵入はタマネギ鱗茎表皮の菌の行動からみても困難と思われる。分生胞子複合体の形成により各各の分生胞子内の栄養物は菌糸伸出部位に移動し,菌糸の生長に役立つとともにイネ葉侵入に必要とする菌の栄養を供給していると推測される。
    4. 本菌のイネ葉への侵入を見ると,分生胞子複合体よりのびた菌糸が気孔近くまで伸展し,気孔上に達して菌糸状のままで,あるいは附着器様膨大部を形成して気孔開口部から侵入する。侵入菌糸は気孔下腔から細胞間隙を伸展し,後には細胞内にも侵入する。まれに直接貫通侵入や傷侵入をすることもある。組織内菌糸は気孔開部分から短かい分生子梗を葉上に突出し,多数の分生胞子を形成する。
  • 金 章圭, 吉野 嶺一, 茂木 静夫
    1975 年 41 巻 5 号 p. 492-499
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    いもち病菌胞子の拡散理論と侵入頻度の時間による推移曲線を基礎として,回転胞子採集器による胞子採集数・結露計によって測定した葉面ぬれ時間・風速・気温などの調査結果を用いて,下記の算出式によって推定侵入胞子数およびその累積値から病斑数を計算した。その結果,推定病斑数は実際の発病調査結果とかなりよく一致し,今後基礎的な調査をさらに進めることによって,一層精度を高めうるものと考えられた。侵入可能胞子数の算出式は次の通りである。
    PSN=DSN×RA×MIP×RI
    DSN=CSN×C×LA/GA
    PSN:株あたり推定侵入胞子数
    DSN:株あたり推定付着胞子数
    RA:付着器形成率
    MIP:最高侵入率
    RI:侵入率比
    CSN:胞子採集数の高度補正値
    C:補正係数
    LA:葉面積
    GA:カバーグラス面積
  • 山口 富夫, 伊藤 征男
    1975 年 41 巻 5 号 p. 500-501
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Spray inoculation with water suspension of conidia of Fusarium leaf spot fungus (Fusarium nivale (Fries) Cesati) was unsucceessful. However, the conidial germination and fusion of their germ tubes by which stomatal penetration was conducted were enormously promoted by the addition of polypeptone to spore suspension. Inoculation was accomplished by spraying spore suspensions containing 1% polypeptone and the inoculated plants were incubated in a high humidity chamber at 25-28C for more than 36 hours.
  • 谷口 武, 樋口 春三, 福田 正夫
    1975 年 41 巻 5 号 p. 502-503
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    By passing juice from chrysanthemum leaves with mosaic or mottle symptom through a Sepharose 2B gel filtration column, fractions which gave infections on Chenopodium amaranticolor, zinnia, tobacco (Samsun NN and Bright Yellow) and Nicotiana glutionsa were recovered, whereas the unfiltrated juice was noninfectious. This recovery of fraction with infectivity was due to the elimination of several inhibitors in chrysanthemum by the chromatography.
  • 遠山 明
    1975 年 41 巻 5 号 p. 504-505
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Philodendron verrucosum Mattieu was shown to be a good local lesion host for dasheen mosaic virus. Other six Philodendron species so far tested were systemically infected with the virus, showing distinct mosaic symptoms. Anthurium scandens var. violaceum showed faint mottling of the leaves.
  • 遠山 明
    1975 年 41 巻 5 号 p. 506-507
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Expression of mosaic symptoms on young taro plants (Colocasia esculenta (L.) Schott) from dasheen mosaic virus infected corms was promoted by root cutting or high soil temperature (40C) at sprouting stage. Under field condition the percentage of taro plants showing mosaic symptoms was highest at the beginning of July, then decreased, and increased again after the end of August.
  • 大木 理, 土居 養二, 与良 清
    1975 年 41 巻 5 号 p. 508-510
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    Small spherical virus particles were found in the phloem cells of broad bean plants infected with milk-vetch dwarf virus. The virus particles appear in the degenerated cytoplasm or in the vacuoles, forming amorphous, sometimes crystalline, aggregates. The virus particles could be partially purified by chloroform-butanol clarification followed by differential centrifugation. Their particle size is approximately 26nm in negatively stained preparations.
  • 稲垣 公治, 牧野 精
    1975 年 41 巻 5 号 p. 511-512
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Rhizoctonia oryzae Ryker et Gooch, rice sheath spot fungus, grows little on the synthetic media consisted of inorganic compounds and glucose, but well by addition of rice decoction. Hyphal growth is promoted if thiamine hydrochloride was added in the synthetic liquid medium. Growth of the fungus is still more promoted by both thiamine hydrochloride and pyridoxine hydrochloride.
  • 谷井 昭夫, 赤井 純
    1975 年 41 巻 5 号 p. 513-517
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • Wayne C. RICHARDS, 高井 省三
    1975 年 41 巻 5 号 p. 518-520
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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