日本植物病理学会報
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イネgrassy stuntウイルスに関する研究(第1報)
仙北 俊弘四方 英四郎
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1980 年 46 巻 4 号 p. 487-493

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抄録

イネgrassy stunt病を媒介虫トビイロウンカNilaparvata lugens Stålを用いて,日本産イネ4品種(農林8号,ミホニシキ,ユキモチ,金南風)に接種した結果,いずれも感受性で,本病の特徴的病徴である叢生萎縮と株の直立化,葉の黄緑化と細い葉身およびrusty spot等が観察された。本病の宿主範囲はイネのみで,トウモロコシ,コムギ,オオムギ,カラスムギ,ヒエ,イナキビ,ハトムギには発病しなかった。本病は土壌伝染,および汁液伝染をしない。本病はトビイロウンカで永続的に媒介伝染される。テトラサイクリン,サルファ剤,クロラムフェニコール,ペニシリンなど各種薬剤は本病に対して治療効果を示さなかった。罹病葉および罹病イネ吸汁虫磨砕液をトビイロウンカに注射した結果,約10%の保毒虫が得られた。

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