日本植物病理学会報
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イネ縞葉枯ウイルスに含まれる三種のリボ核酸
鳥山 重光
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1982 年 48 巻 4 号 p. 482-489

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抄録

イネ縞葉枯ウイルス(RSV)には,3成分のリボ核酸(RNA)が含まれ,その分子量は,7M尿素変性ゲルを用いた電気泳動分析で,1.4×106, 1.0×106および0.9×106であった。Kleinschmidt法による核酸の電子顕微鏡像から,RSV-RNAは環状ではなく,両端のある線状分子として観察された。その分子の大きさは,約1μmと0.7μm長にピークをもつ,1.2μm∼0.2μmに分布した。10∼40%蔗糖密度勾配遠心で生ずるTop (T), Middle (M), Bottom (B)の各粒子成分と上記RNA 3種との関係については,RNA 1.4×106はB粒子成分に,RNA 1.0×106および0.9×106はM粒子成分に含まれると考えられた。M粒子成分は,ときにごく近接した2ピークとして生ずることがあるので,M粒子成分中の2 RNAはこの2粒子成分に含まれていることが示唆される。T粒子成分のRNAは,2.5%および5.0%ポリアクリルアミドゲル電気泳動で一定のバンドを形成せず,RNAは分解しているように思われる。また,T粒子成分は純化の過程で硫酸セシウムや塩化セシウムを用いると多量に生ずることから,人工産物の可能性が考えられた。

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