日本植物病理学会報
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キュウリ斑点細菌病の発病に及ぼす土壌水分の影響
手塚 信夫渡辺 康正
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1983 年 49 巻 2 号 p. 160-165

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抄録

キュウリ斑点細菌病の発病に及ぼす土壌水分の影響についてポット試験およびガラス室内試験を行った。ポット試験では,土壌水分が多いとき病斑面積率および病斑数とも多く,典型的な角型病斑を生じて激しく発病したが,土壌水分が少ないとき病斑面積率および病斑数ともに少なく,小斑点が生じてその後拡大しなかった。ガラス室内試験では,土壌水分を少なくしたときポット試験の場合ほど土壌が乾燥しなかったため小斑点を生じなかったが,土壌水分が多いほど発病が激しい傾向は一致した。土壌水分の多少は空気湿度には大きな差を生じない。したがって,土壌水分の多少が本病の発病に大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。土壌水分を異にした状態でキュウリを栽培すると,土壌水分が多いときは少ないときより葉の含水量もわずかに多くなった。

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