日本植物病理学会報
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GLCによる健全およびいもち病罹病イネ葉からのmomilactone A, Bの検出について
松山 宣明
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1983 年 49 巻 2 号 p. 200-205

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抄録

いもち病に対する水平抵抗性の程度と抗菌物質momilactone A, B含有量との関係を調べるため,Cartwrightらの方法によりGLCによる微量定量を試みた。OV-17カラム,213C, N2流量45ml/minの条件下で標品のmomilactone Aは保持時間Rt 26.8minを示し,momilactone BのTMS誘導体はRt 21.1minを示した。またOV-101カラム,188C, N2 45ml/minの条件下では,momilactone AはRt 16.4minを示し,momilactone B-TMSはRt 22.1minを示した。これらの結果は原報と著しく異なっていた。クロマトグラム上の各ピークについてGC-MSを行った結果,それぞれmomilactone AおよびB-TMSであることが確認された。健病イネ葉から有機溶媒により抽出しTLCにより分離した試料について,GLCにより両物質の検出を試みたが何れの試料からもmomilactone A, Bは検出されず,原報の8倍量の高濃度の試料からも全く検出されなかった。イネ葉中のmomilactone濃度はCartwrightらの報告よりも可成り低いものと考えられる。

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