1984 年 50 巻 2 号 p. 197-204
静岡県で発生しているキク,マーガレットおよびバラ根頭がんしゅ病の発生状況を調べ,分離された病原細菌の細菌学的性質を検討した。供試細菌20菌株は70項目の細菌学的性質ならびに接種試験の結果から,Agrobacterium tumefaciensと同定された。供試細菌は細菌学的性質の違いにより2つの生理型に類別され,生理型1にはキク菌およびマーガレット菌の12菌株とバラ菌の4菌株が含まれ,生理型2にはバラ菌の他の4菌株が含まれた。生理型1と2の間には15項目の生理的性質で反応に差がみられた。代表供試4菌株のGC含量はキク菌(At C1)は58.2%,マーガレット菌(At M3)は59.0%,バラ菌は58.2% (At R7)および59.7% (At R11)であった。