日本植物病理学会報
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交互温度変化条件下で全身感染又は局部感染を起こさせたN. glutinosaを連続通過させて誘発したTMV弱毒系統について
宮本 セツ小國 昭信宮本 雄一
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1985 年 51 巻 5 号 p. 591-594

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抄録

誘発された弱毒系統の中からSA-3, SC-4, SA-8及びSA-10の4系統を選び,理化学的及び血清学的性質,寄主体内での増殖能,親ウイルスに対する干渉能等を調べた。これらの弱毒系統はいずれも,耐希釈性及び耐熱性は親ウイルスよりも低い傾向を示し,増殖能も一般に低かったが,干渉能は高く親ウイルスの病徴発現を阻止した。又,親ウイルスの抗血清に対する各系統の反応は親ウイルスのそれと大差がなかった。更に,SA-10について詳細に調べた結果,この系統は好高温性の特徴を有しており,25C下の増殖能は比較的低く病徴をほとんど現わさないが,35C下での増殖能はかなり高く,親ウイルスによるものとは明らかに異なる病徴を発現した。

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