抄録
1979年から1984年にかけて,静岡県下で発生したバラ毛根症の発生状況を調べ,分離された病原細菌の細菌学的性質を検討した。供試した18菌株は病原性および82項目の細菌学的性質の試験結果から, Agrobacterium rhizogenes biovar 1および2と同定された。病名をバラ毛根病(Hairy root of Roses)とした。biovar 1には7菌株, biovar 2には11菌株が含まれた。biovar 1と2の間には26項目の生理的性質で差がみられた。各biovar 2菌株ずつ,計4菌株を供試して測定した菌のGC含量は58.7~60.7%の間にあった。