日本植物病理学会報
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52 巻, 3 号
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  • 土居 養二
    1986 年 52 巻 3 号 p. 367-370
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 大内 成志
    1986 年 52 巻 3 号 p. 371-373
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 加藤 喜重郎
    1986 年 52 巻 3 号 p. 374-376
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 久保 進
    1986 年 52 巻 3 号 p. 377-380
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 野田 孝人
    1986 年 52 巻 3 号 p. 381
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 畔上 耕児
    1986 年 52 巻 3 号 p. 382
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
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  • 瀧川 雄一
    1986 年 52 巻 3 号 p. 383
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
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  • 岡崎 博, 能勢 和夫
    1986 年 52 巻 3 号 p. 384-393
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    グルコース添加湛水土壌の殺菌作用は土壌中に産生する揮発性抗菌物質と密接な関係がある。この揮発性抗菌物質を明らかにするために畑土壌(10g)に3%グルコース液(10ml)を加えて保温静置した土壌の揮発性成分の分析および検出された成分のFusarium oxysporum f. sp. raphaniに対する抗菌性の検定を行った。揮発性成分の分析は土壌の殺菌力が最高になる湛水後6日目の土壌について行った。硫化水素,硫化カルボニルを含めて土壌中の揮発性硫黄化合物の濃度はきわめて低く本菌の死滅に関係するとは考えられなかった。エチレン,エチレンオキシド,ホスフィンは検出されなかった。抗菌性を有する揮発性成分は土壌に窒素ガスを通じ,それを-35Cに冷却したトラップに導くことによって捕集された。土壌のpHが5.5以上では抗菌性成分は駆出されず有機酸であることが示唆された。トラップで捕集した抗菌性成分をガスクロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィー-質量分析法によって分析した結果,捕集成分は酢酸, n-酪酸および微量のエタノールであった。このことから抗菌性は酢酸, n-酪酸によるものと推定された。一方,酢酸およびn-酪酸の本菌厚膜胞子に対する24時間後のLC50はそれぞれ1,506ppmおよび1,522ppmであった。また, 6日目の土壌溶液中には酢酸およびn-酪酸がそれぞれ3,407ppmおよび2,944ppm存在し,それは厚膜胞子を死滅させるに十分な濃度であった。さらに,グルコース添加湛水土壌の本菌厚膜胞子に対する殺菌力と土壌溶液中の酢酸およびn-酪酸の濃度との間には正の相関が認められた。以上の結果からグルコース添加湛水土壌におけるFusarium oxysporum f. sp. raphaniの死滅は土壌中に産生する酢酸およびn-酪酸によるものであると結論した。
  • 阿部 秀夫, 宇井 格生
    1986 年 52 巻 3 号 p. 394-403
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    北海道のテンサイ畑に生息するPolymyxa属菌の同定および分類を行なうため,そう根病の発生土壌に植えた各種植物に寄生したPolymyxaの形態および宿主範囲を比較した。用いた植物は23科108種で,そのうちアカザ科,ヒユ科およびスベリヒユ科植物の細根表面の細胞および皮層にPolymyxa sp.の寄生が認められた。これら菌株の形態には互に差がなく, P. betae Keskinの原記載と同様であった。テンサイ,ホウレンソウ, Chenopodium murale, C. ficifolium,シロザ,アオビュおよびスベリヒユから分離された菌株を用いてそれぞれの分離源植物に交互接種を行い,寄生性を比較した結果,各菌株の寄生は分離源と同じ科の植物に限られた。ただし,アカザ科植物から分離された菌株はアカザ科の多くの植物を共通宿主とするものの,テンサイ菌株はシロザに,シロザ菌株はテンサイにそれぞれ寄生しなかった。これらの結果から北海道のP. betaeはいくつかの分化型に分かれるものと考えられた。即ちアオビユから分離された菌株はP. betae f. sp. amaranthiと同定され,スベリヒユから分離された菌株は新しい分化型, P. betae f. sp. Portulacaeとして記載した。テンサイとシロザから分離された菌株はそれぞれ別の分化型にすべきであるが,両菌株の分類はカナダのシロザ菌株との直接的な比較を行なってから決めたい。以上の結果,そう根病の発生にはテンサイ,フダンソウなどBeta vulgarisに高い寄生性を持っているテンサイ菌株が関係し,他の2つの分化型およびシロザ菌株は関係していないと考えられる。
  • 高橋 幸吉, 寺峰 孜
    1986 年 52 巻 3 号 p. 404-412
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1978年,高橋ら(1980)が高知県で発見し,現在四国・九州地方にまん延しつつあるクワ輪斑病菌Goruxtophragmium mori (Sawada) Deighton 1969の生活史を実験的ならびに自然条件下で明らかにした。本菌は夏~秋季の主に桑園周辺の調査で16科24属29種の草本および木本の落葉植物に寄生し,葉身に大きな輪帯状病斑を形成することを確かめた。このうち,カラヤマグワを除くほかの宿主は本菌の新しい宿主植物である。人工培地で形成させたクワおよびノブドウ分離菌株の分生子接種では,供試植物のクワ科4属10種,ブドウ科2属2種4品種,ジンチョウゲ科1属1種のすべてが感染した。本菌の宿主植物とその病徴,病原性,分生子世代および子のう世代の形態等分類学上の特徴から, Gonatophragmium moriの完全世代はAcrospermum viticola Ikata 1931であると結論した。
  • 太田 光輝
    1986 年 52 巻 3 号 p. 413-421
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1979年から1984年にかけて,静岡県下で発生したバラ毛根症の発生状況を調べ,分離された病原細菌の細菌学的性質を検討した。供試した18菌株は病原性および82項目の細菌学的性質の試験結果から, Agrobacterium rhizogenes biovar 1および2と同定された。病名をバラ毛根病(Hairy root of Roses)とした。biovar 1には7菌株, biovar 2には11菌株が含まれた。biovar 1と2の間には26項目の生理的性質で差がみられた。各biovar 2菌株ずつ,計4菌株を供試して測定した菌のGC含量は58.7~60.7%の間にあった。
  • 花田 薫, 楠木 学, 岩木 満朗
    1986 年 52 巻 3 号 p. 422-427
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ソテツから分離されたソテツえそ萎縮ウイルス(CNSV;ネポウイルス群に属すると考えられる)の諸性質をさらに検討した。CNSVのM成分とB成分の沈降係数はそれぞれ85Sと112Sであった。塩化セシウム中での浮遊密度はM成分が1.404g/cm3, B成分は1.472g/cm3であった。M成分とB成分は単独では低い感染性しかなく,両成分を混合すると感染性は5~20倍高くなることから感染には両成分が必要と考えられた。両成分は異なる大きさの1本鎖RNA成分を別々に含み, M成分に含まれるRNA2の分子量は1.5×106, B成分に含まれるRNA1の分子量は2.5×106であり, RNA1とRNA2の両方が感染に必要であった。B成分とM成分に含まれる外被蛋白質は同じ大きさであり,その主成分の分子量は65Kであった。これらの諸性質はネポウイルスに属するトマト黒色輪点ウイルス(TBRV)に最もよく似ているが, CNSVはTBRV及びTBRVと血清関係のあるウイルスと血清学的類縁関係が認められなかった前報(1986)の結果から考えると, CNSVは未報告のネポウイルスであると結論された。
  • 盛岡16号イチゴ品種への黒斑病感染およびAF毒素Iの作用に対するAF毒素IIの保護効果
    並木 史郎, 山本 幹博, 西村 正暘, 中塚 進一, 後藤 俊夫, 甲元 啓介, 尾谷 浩
    1986 年 52 巻 3 号 p. 428-436
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    イチゴ黒斑病菌(Alternaria alternata strawberry pathotype)の生成する宿主特異的毒素(AF毒素)の化学構造が決定され,そのイチゴおよびナシに対する生物活性を再検討した。AF毒素Iは,感受性品種の盛岡16号イチゴおよび二十世紀ナシにそれぞれ3.2×10-8Mという極めて低濃度まで壊死形成を誘起した。AF毒素IIは,二十世紀ナシに対してのみ2.6×10-8Mまで,また毒素IIIはイチゴには3.1×10-7Mまで,二十世紀ナシには1.6×10-5Mまで壊死形成を誘起した。一方,イチゴおよびナシの抵抗性品種には,いずれの毒素も10-4Mの高濃度でも全く毒性を示さなかった。さらに,盛岡16号イチゴ葉にAF毒素IIで前処理することによって, AF毒素1の作用および黒斑病菌の感染に対する保護効果を検討した。18時間前にあらかじめ毒素IIで有傷滴下処理したイチゴ葉では,毒素IによるK+の異常漏出や壊死形成が著しく抑制された。この場合,毒素IとIIの比率が1:10のときに80%以上の高い保護効果が得られた。また,毒素IIによる前処理区では,対照区に比べて病原菌を接種して出現する病斑数も減少する傾向がみられた。
  • 吉川 信幸, 井上 忠男, Richard H. CONVERSE
    1986 年 52 巻 3 号 p. 437-444
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    イチゴから分離されたラブドウイルス様粒子の3分離株(RとH, S)について,検定植物(Fragaria vesca UC-4, UC-5, UC-6とF. virginiana UC-10, UC-11, UC12)での病徴を調べたところ, R分離株は典型的なイチゴクリンクルウイルス(SCrV), HとS分離株はstrawberry latent C virus (SLCV)と考えられた。これら3分離株の感染葉とオレゴン州立大学保存のSLCV (SLCV-O分離株)感染葉の超薄切片を電顕により比較観察すると,いずれの分離株からもほぼ同じ大きさのラブドウイルス様粒子とviroplasmが検出されたが, R分離株ではウイルス様粒子とviroplasmが主に細胞質で観察されたのに対し, HとS, SLCV-O分離株では成熟粒子は主に核膜間隙に集積し,未成熟粒子とviroplasmは核内に存在していた。以上のことから,イチゴには2種類のラブドウイルス,すなわち細胞質関連型のSCrVと核関連型のSLCVが存在することが明らかになった。
  • 那須 英夫, 畑本 求, 久能 均
    1986 年 52 巻 3 号 p. 445-452
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ブドウ果粒上のすす点病菌Zygophiala jomaicensis Masonの分生子発芽から菌糸の伸長,さらに,黒色菌糸組織形成に至る過程を光学顕微鏡によって観察した。本菌の2胞の分生子は通常2個ずつ対になって果粒上に付着するが,発芽以前にその周囲の果粉は溶解され消失していた。対になった分生子のそれぞれの細胞から発芽管を生じ,発芽管の伸長に伴ってその両側の果粉を消失させた。同じように付着,発芽した周辺の分生子による果粉消失部が互いに融合して,可視的な病徴となると考えられた。果粉消失部に形成された分生子は形成直後に飛散するようであった。また,果粉消失部には肉眼的に識別可能な黒色菌糸組織が形成されるが,この組織は菌糸が集合,癒合した菌核様構造であることが明らかになった。果粒表皮細胞や果肉組織内に侵入している菌糸は全く認められなかった。以上の結果は,本菌がブドウ果粒上の果粉を栄養源として生育する表生菌であり,ブドウの商品価値の低下をきたす果粉消失部の拡大は本菌が分泌する酵素による果粉分解に起因することを示唆している。
  • 白子 幸男, 江原 淑夫
    1986 年 52 巻 3 号 p. 453-459
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ヤマノイモえそモザイクウイルス感染ナガイモ葉より,分画遠心法により病原ウイルスを純化した。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法により,外被蛋白の分子量は38,000 (38K)と推定された。精製ウイルス試料より抗血清(免疫電顕法で力価4,096倍)を作製し,エレクトロブロット・イムノアッセイ法により罹病葉粗汁液から38K蛋白の検出を試みた。プロット後の処理は出来る限り簡略化し,全行程を7時間以内に完了可能とした。その結果, 38K蛋白は罹病葉粗汁液の1,000倍希釈液からも明瞭に検出されたが,健全葉粗汁液からは検出されなかった。健全植物成分との非特異的反応は,抗血清を5,000倍まで希釈することにより, 38K蛋白の検出感度を実用上損うことなく,減少させることが可能だった。
  • 山本 弘幸, 谷 利一
    1986 年 52 巻 3 号 p. 460-465
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    エンバク冠さび菌の不親和性レース226および親和性レース203を接種したエンバク初生葉(品種勝冠1号)においては,抵抗性では接種8および35時間後にエチレン生成の極大を示し,罹病性では接種8時間後にのみ極大を示した。各種薬剤処理および重複接種によって抵抗反応を阻害してエチレン生成と抵抗反応との関連性を調べたところ,両者間に相関性が認められない場合があった。また,外生エチレンおよびその前駆物質ACCの処理によっても感染型は転換しなかった。以上の結果より,本病におけるエチレン生成の増高は菌体発育に影響を与える現象とは考え難い。むしろ,感染にともなう生化学的病徴として理解すべきであろう。
  • 那須 英夫, 久能 均
    1986 年 52 巻 3 号 p. 466-474
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Zygophiala jamaicensis Masonによって引き起こされるすす点病に侵されたブドウ果実を走査電子顕微鏡で観察した。健全なブドウ果粒の表面は薄片状結晶構造をもつ果粉によって覆われていた。果粒表面に付着した分生子が発芽して菌糸を伸長させると,菌糸周辺の果粉結晶構造は消失し,その分解産物と考えられる薄膜が残り菌糸を覆っていた。菌糸最先端は結晶構造の上にあり,先端から10-15μm後方に相当する菌糸周囲の結晶構造の変化が認められ,果粉分解酵素が菌糸の最先端からではなく,基部に向ってやや後方から分泌されることを示唆していた。病徴が進展すると菌糸は果粒上を無数に迷走しており,それに接する部位の果粉をほぼ完全に消失させた。菌糸の多くは,果粉分解産物からなると考えられる薄膜の下に埋もれていた。病徴後期に果粉消失部に見られる黒色菌糸組織は,数本の太い主軸菌糸から生ずる分枝が分岐をくり返して集合し,その形成が開始されるようであった。ミクロマニプレーターでこの黒色菌糸組織の断面を露出させたところ,組織中央部は3-4層,周縁部は2-3層の菌糸層からなっていた。この組織を剥離した時に露出するクチクラ層表面には菌糸の侵入孔に相当する構造は見当らず,さらに,組織下にある果粒細胞壁断面にも菌糸侵入の形跡は認められなかった。以上の観察結果は,本菌が果粉を栄養源として伸長する表生菌であることを示している。
  • 岩田 康雄, 本間 保男, 有本 裕, 下山 守人
    1986 年 52 巻 3 号 p. 475-477
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    We tried to apply the onion epidermal strip method for the observation of conidial germination, hyphal elongation and hyphal penetration of Botrytris cinerea. The behavior of the fungus on the strip was compared with that on a petal of Primula polyantha, the natural host plant. The similar tendency was observed on the conidial germination and hyphal penetration on both system. In addition, each stage on the onion epidermal strip was markedly accelerated by the addition of 1 to 2% fructose to the conidial suspension. It was suggested that the onion epidermal strip method might be applicable for assaying the effect of chemicals on B. cinerea.
  • 安藤 康雄, 浜屋 悦次, 瀧川 雄一, 後藤 正夫
    1986 年 52 巻 3 号 p. 478-483
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Bacterial shoot blight of tea caused by Pseudomonas syringae pv. theae is a disease which attacks several cultivars including Inzatsu 131 producing deep brown necrotic lesions on leaf blades, petioles and stems. In July 1983, however, new symptoms were detected on the undersurface of the leaves of cv. Yabukita in Shizuoka Prefecture. They were characterized by light brown and shallow necrosis limited to the lower epidermis and a few layers of subepidermal spongy parenchyma cells. The causal bacterium was identified as P. syringae pv. theae. The results of inoculation tests at different temperatures suggested that this bacterium induces diverse symptoms on tea leaves depending on the climatic conditions as well as the kinds of cultivars.
  • 家城 洋之
    1986 年 52 巻 3 号 p. 484-487
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    従来,我国で発生が知られていたカンキツ黄斑病は黄色ハローを有する油浸状の黄斑型病斑と褐色小円星型病斑を生じ,病原菌はMycosphaerella horii Haraとされているが,完全時代の子のう殻の発見は極めて困難である。しかし,沖縄では黄斑型病斑のみがみられ,病原菌は分解しつゝある罹病葉及び培養枝上で容易に子のう殻を形成した。これはフロリダで発生するGreasy spotの病徴及び子のう殻,子のう,子のう胞子の形,大きさとほぼ同じであり, M. citri Whitesideであると考えられる。それ故に,我国で発生する黄斑病はM. horiiM. citriの両病原菌による。
  • 柘植 尚志, 林 律器, 西村 正陽
    1986 年 52 巻 3 号 p. 488-491
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    二十世紀ナシ葉上の黒斑病病斑から,多数の単胞子分離菌株を得,それらの病原性の不安定性について,分生胞子発芽時のAK毒素生成能にも注目しながら検討した。10個の病斑より分離した197菌株のうち, 28菌株はすでに分離直後に病原性を失なっていた。さらに,一病斑当り10菌株づつ選ばれた100菌株を継代培養したところ,病原性失活菌株が徐々に出現した。病斑ごとに精査してみると,新植二十世紀ナシ園の病斑からは,概して,病原性の不安定な菌株が多く得られ,永年栽培の持続しているナシ園の病斑からは,病原性の比較的安定な菌株が得られた。病原性失活菌株は,例外なく, AK毒素生成能を喪失していたが,培養菌糸や分生胞子の形態に何ら変化も認められなかった。
  • 月星 隆雄, 佐藤 徹, 君ケ袋 尚志
    1986 年 52 巻 3 号 p. 492-495
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1981年西原がBipolaris sp. として報告したトウモロコシ北方斑点病菌の同定を行った。本菌の無性世代の形態からB. zeicolaと考えられたため,同菌株をアメリカ合衆国より輸入して,日本分離菌株との比較試験を行った。北海道,青森,栃木および長野の各県で採集した19菌株を供試し,アメリカ輸入菌株との形態比較を行ったところ,分生胞子柄および分生胞子の形,大きさのいずれも一致した。次に,アメリカ輸入菌株との交配試験を行ったところ, 19菌株中11菌株が交配し,子のう胞子を形成した。偽子のう殻,子のうおよび子のう胞子の形態もCochliobolus carbonum(B. zeicolaの有性世代)の原記載に一致した。よって,本菌をBipolaris zeicola (Stout) Shoemaker(有性世代Cochliobolus carbonum Nelson)と同定した。
  • 福本 文良, 岩木 満朗, 土崎 常男
    1986 年 52 巻 3 号 p. 496-499
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Potyvirus groupに属するpeanut chlorotic ring mottle virus(PCRMV)の純化標品から分離した核酸は, DNaseに耐性であるが, RNaseに対して感受性であり,ウイルス活性が消失した。また,ホルムアルデヒド処理核酸は,紫外線吸収曲線の吸収極大の位置が長波長に動き,吸収も増大することから,PCRMV核酸は一本鎖のRNAと考えられた。しょ糖密度勾配遠心法によるPCRMV-RNAのS値は39.6±1.5であり,この値から分子量は3.16×106と計算された。アガロースゲル電気泳動法による未変性RNAの分子量は3.32±0.12×106であり, Glyoxal処理によって変性した場合3.49±0.08×106が得られた。一方,外被蛋白の分子量はポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって35,600であった。
  • 1986 年 52 巻 3 号 p. 500-509
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 52 巻 3 号 p. 509-518
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 52 巻 3 号 p. 518-527
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 52 巻 3 号 p. 527-536
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 52 巻 3 号 p. 536-545
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 52 巻 3 号 p. 545-554
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 52 巻 3 号 p. 554-564
    発行日: 1986/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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