冬期後半に積雪下の未熟な雪腐病菌菌核やイネ科牧草葉から分離される細菌と,秋期に休眠菌核から分離される細菌には,PDA上で雪腐小粒菌核病菌Typhula incarnata, T. ishikariensisに拮抗性を示す菌株が高頻度に存在した。特に葉由来の細菌では,約50%が強拮抗性であったが,これら葉の細菌のほとんどは,雪腐小粒菌核病菌の菌核形成を促進しなかった。菌核由来の細菌には,強拮抗性のものは少なかったが,菌核形成を促す菌株の割合は,平均22.2%とやや高かった。拮抗細菌はすべて螢光性のpseudomonadsであったが,螢光性のpseudomonadsのすべてが拮抗性を示すわけではなかった。また,冬期後半以外の時期に葉から分離される細菌はほとんどが拮抗性でなく,拮抗性のものもその程度は弱かった。これらはまた,ほとんどが螢光性pseudomonadsでなかった。