日本植物病理学会報
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わが国で発生したPhytophthora cactorumによるチューリップ疫病について
向畠 博行鈴井 孝仁名畑 清信山本 孝〓
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1987 年 53 巻 3 号 p. 291-300

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抄録
1981-1985年にかけて富山,新潟の両県において融雪後4月下旬∼5月下旬にチューリップの品種Golden Melodyなどで地上部茎葉が侵され,早期に枯死する新しい病害が発生した。罹病組織からはいずれも一種のPhytophthora属菌が分離され,本病菌はPhytophthora cactorum Schröterと同定された。本病原菌は前年罹病茎葉の残渣および発病土により土壌伝染することが明らかとなったが,罹病した株に形成された球根による伝染は認められなかった。各種球根類に接種し病原性を調べた結果,ヒアシンスやアリウム類の葉に強い病原性が認められ,とくにアリウムギガンチュームは著しく感受性であった。しかし,カノコユリやテッポウユリなどユリ類に対しての病原性は認められなかった。
本菌によるチューリップの病害はわが国では未記載であることからチューリップ疫病(Tulip blossom blight)と命名した。
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