抄録
ブロムモザイクウイルス(BMV) RNAのオオムギ細胞中における複製場所について調べた。各subcellular画分はprotoplast lysateから分画遠心分離とパーコール濃度勾配遠心分離によって得た。各画分におけるRNA合成活性はアクチノマイシンD存在下で測定した。RNA依存RNA合成酵素活性は純化したクロロプラスト画分で特に高く,クロロフィル当りのその活性はクロロプラストを純化するにつれてさらに高くなった。純化クロロプラスト中にBMV RNAのcDNAとハイブリダイズするRNAが存在することをドットブロット法により確認した。BMV感染細胞から純化したクロロプラストをRNA依存RNA合成酵素の代りにin vitro RNA合成系に加えるとreplicative formが合成された。BMV感染細胞から純化したクロロプラストをアクチノマイシンDおよび3H-UTP存在下のin vitro RNA合成系に加えて培養し,ミクロオートラジオグラフィーを行ったところ,チラコイド上に銀粒子が観察された。これらの結果はBMV RNAがBMV感染オオムギ細胞のすくなくともクロロプラストで複製できることを強く示唆している。