日本植物病理学会報
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ムギ出穂期におけるチオファネートメチル剤等の散布が赤かび病の発生ならびにマイコトキシン汚染に及ぼす影響について
上田 進芳澤 宅實
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1988 年 54 巻 4 号 p. 476-482

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抄録

圃場でのムギ赤かび病被害率, Fusarium汚染粒率およびマイコトキシン汚染を指標として,チオファネートメチル剤散布による赤かび病とトリコテセン系マイコトキシン汚染の防止効果を検討した。ムギの出穂期にトップジンM剤を2回散布することにより,赤かび病の発生とFusarium汚染を効率的に防止すると同時に, NIVとDONによる汚染をも抑えることが明らかにされた。また,薬剤散布の有無にかかわらず, NIVとDONとの間には高い正の相関が認められたことから,トップジンM剤はNIVまたはDON産生菌(F. graminearum)に対し同程度の阻止効果を示すものと考えられた。さらに,赤かび病の発生が少なく,一般に薬剤散布の必要性がないと見做される場合でもマイコトキシンの汚染は認められたが,トップジンM剤散布によりきわめて有効に抑止することができた。

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