1988 年 54 巻 4 号 p. 536-539
キュウリモザイクウイルス(CMV)の分離株間における核酸ゲノムの差異を知るために, CMV感染葉から複製型二本鎖RNAをCF-11セルロースにより抽出し,銀染色を用いたポリアクリルアミドゲル電気泳動による比較を行った。抽出に用いる植物の種類によって複製型二本鎖RNAの電気泳動パターンは変化しなかった。用いたCMVの6分離株からは,電気泳動度の異なる3種のRNA1, 4種のRNA2, 2種のRNA3が検出された。RNA3の泳動度の差は血清型の差に一致していた。複製型二本鎖RNAの電気泳動によりCMVの系統判別が迅速容易に行えると考えられた。