日本植物病理学会報
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カブモザイクウイルスと重複感染したダイコンにおけるキュウリモザイクウイルス濃度の増大について
(II) 電子顕微鏡的,免疫組織化学的観察
石本 万寿広佐野 義孝小島 誠
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1990 年 56 巻 1 号 p. 63-72

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抄録
TuMVと重複感染したダイコンにおけるCMV濃度増大の要因を明らかにするために,感染細胞の電子顕微鏡観察を行うとともに免疫組織染色法により組織内のウイルス抗原の分布を調べた。その結果,重複感染細胞と単独感染細胞では細胞当りのCMV量に著しい差は認められなかったが,上位葉でCMVが検出される時期ならびに頻度に大きな差が認められた。このことから,重複感染株における高いCMV濃度はTuMVとの重複感染によりCMVの維管束を介した長距離の移行が促進され,それによりCMV感染細胞数が増加した結果であると考えられた。
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