日本植物病理学会報
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Fusarium oxysporum f. sp. lycopersiciレースJ3に起因するトマト果実腐敗症の細胞学的研究
(II) 感受性および抵抗性品種の感染花柱の微細構造
小林 一成桜井 美樹冨川 章山本 敏夫山岡 直人久能 均
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1990 年 56 巻 2 号 p. 235-242

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抄録

Fusarium oxysporum f. sp. lycopersiciレースJ3を感受性および抵抗性トマト品種の果実切断面および果汁に接種したが,両品種間で菌糸生長に差はなかった。両品種の花の柱頭に胞子を接種したところ,接種後4日間は柱頭から侵入した菌糸の生長に両品種間で差はなかったが,抵抗性品種では以後の生長は停止した。電顕観察によると,両品種の花柱内では菌糸は細胞間中層を伸長した。感受性品種では,菌糸が伸長している中層は接種後4日目までに顆粒化し,6日目までにほぼ完全に消失した。また,6日目までに感染部位の花柱細胞質は変性し,圧縮されて,細胞壁のみが残っていた。抵抗性品種では,4日目までに,菌糸に隣接する中層に特異的な小嚢状構造が出現し,6日目までに中層が異常に膨潤した。これらの結果は,抵抗性品種の抵抗性が花柱中層の構造的,化学的特殊性に関係していることを示唆している。

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