抄録
WMV-2で免疫したマウス脾細胞とミエローマ細胞を用いて,MCAを産生する13個の融合細胞株を作製した。これらのMCAによりWMV-2には少なくとも3種類の抗原決定基の存在が明らかになった。このウイルスに対する第3グループのMCAは,non-precoated間接エリザ法により,炭酸水素ナトリウム・炭酸ナトリウム緩衝液,pH 9.6で処理したズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)と反応し,ウサギ抗WMV-2抗体を用いるprecoated間接エリザ法では反応しなかったことから,両ウイルスは1種類の抗原決定基(cryptotope)を共有していることが判明した。このことは両ウイルス間の血清学的関係についてより明確な実証を示したものと考えた。MCA WMV-2 15は圃場試料からの本ウイルスの検出および診断に利用できると結論した。