日本植物病理学会報
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北海道地方の土壌から分離したPythium菌の種と分布
渡辺 恒雄
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1990 年 56 巻 4 号 p. 549-556

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抄録
北海道地方の土壌に生息するPythium菌の種と分布を明らかにするため,キュウリ種子とジャガイモ塊茎円盤(直径4mm,厚さ3mm)による捕捉法と直接接種法を用いて菌を分離し,調査した。供試した29試料中28試料から1試料当り1∼5種のPythium菌が分離されたが,1試料からはまったく分離できなかった。分離した合計297菌株は,H-Zs(糸状胞子嚢から遊走子を形成するが,生殖器官は未形成の一群)を含む14種に分類・同定できた。最も一般的に分布していたのが,P. sylvaticumで,22ヵ所から94菌株が分離された。次いで,P. torulosum, P. rostratumP. ultimumの分布が広く,7∼11ヵ所から21∼28菌株が分離された。また日本では未報告のP. conidiophorumP. dissimileが分離された。
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