日本植物病理学会報
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イネもみ枯細菌病菌(Pseudomonas glumae)によるトマト青枯病の発病抑制とその機作
古屋 成人櫛間 義幸土屋 健一松山 宣明脇本 哲
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1991 年 57 巻 3 号 p. 363-370

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抄録
イネもみ枯細菌病菌のトマト青枯病菌に対して示す抗菌活性は供試する培地の種類によって異なり,TTC培地上ではすべてのイネもみ枯細菌病菌株がトマト青枯病菌に対して阻止帯を形成した。抗菌物質産生性のイネもみ枯細菌病菌株の懸濁液でトマト幼苗の根部を浸漬処理することによって青枯病の発病が抑制された。この発病抑制効果と浸漬処理時間および浸漬処理に用いた細菌懸濁液の濃度との間には高い相関が認められた。トマト幼苗の根部を濃度約1010cfu/mlのイネもみ枯細菌病菌懸濁液中へ24時間浸漬した場合に最も高い抑制効果が得られた。この発病抑制効果は抗菌物質非産生菌株および熱処理死菌によっても認められ,イネもみ枯細菌病菌の産生する抗菌物質以外の要因もこの発病抑制効果の機作に強く関与していることが明らかとなった。
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