日本植物病理学会報
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日本のラッカセイにおけるラッカセイ斑葉ウイルスの種子保毒ならびに野外発生
松本 純一大木 理井上 忠男
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1991 年 57 巻 4 号 p. 587-590

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抄録
ラッカセイ斑葉ウイルス(peanut stripe virus: PStV)分離株PN87Nを純化して得た抗血清を用い,間接ELISA法によって種子保毒と野外発生を調査した。1988年産の種子保毒率は茨城県と鹿児島県の種子では1∼4%であったが,千葉県産では10∼23%と比較的高率であった。発生状況について1989∼90年に茨城,滋賀,千葉の各地で調査したところ,感染個体率の多くは21∼29%であったが,千葉県内の1地域では62%に達していた。また,野外調査でPStVとラッカセイ斑紋ウイルス(PMoV)との重複感染が認められ,PStVとPMoVの間に干渉が起こらないことは実験的にも確かめられた。さらに,種子のウイルス保毒の有無は,磨砕試料をスポット後シートをクロロフォルムまたは四塩化炭素で軽く洗浄すれば,DIBA法により比較的簡便に検定できることがわかった。
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