日本植物病理学会報
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トマト台木根からの抗菌物質
長岡 俊徳大羅 順子吉原 照彦坂村 貞雄
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1995 年 61 巻 2 号 p. 103-108

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抄録
トマト台木植物(品種:耐病新交1号)の根部から抗菌物質として4種の不飽和ヒドロキシ脂肪酸[(13S)-13-ヒドロキシ-(9Z, 11E)-9, 11-オクタデカジエン酸,13-ヒドロキシ-(9E, 11E)-9, 11-オクタデカジエン酸,(9S)-9-ヒドロキシ-(10E, 12Z)-10, 12-オクタデカジエン酸,9-ヒドロキシ-(10E, 12E)-10, 12-オクタデカジエン酸]と5種のフェノール化合物(バニリン,シリンガアルデヒド,p-ヒドロキシベンズアルデヒド,p-ヒドロキシ安息香酸,バニリン酸),一種のジカルボン酸(アゼライン酸),一種のキノン(2, 6-ジメトキシ-p-ベンゾキノン)を単離し,化学構造を決定した。トマト台木の土壌病害抵抗性に関与する抗菌物質は植物に普遍的に存在するこれらの化合物ではなく,既報のアルカロイドであることを示唆した。
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