日本植物病理学会報
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クワおよびクワノメイガにおける氷核活性細菌の生存とその性状
高橋 恭一渡部 賢司佐藤 守
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1995 年 61 巻 5 号 p. 439-443

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抄録
クワおよびクワノメイガにおける氷核活性細菌の生存およびその生息密度について調べた。クワ葉面ではPseudomonas syringaeErwinia herbicola群細菌が優勢フローラであった。一方,クワノメイガではE. herbicola群細菌は大部分の幼虫個体から分離されたが,P. syringaeはいくつかの個体のみから検出された。クワ由来のP. syringae菌株中の氷核活性細菌の割合は,非常に高く,48.1%を示したのに対して,E. herbicola群細菌では低く,0.5%であった。これら2群の細菌は,それぞれP. syringae pv. moriE. ananasと同定された。後者はクワの氷核活性細菌としては初めての記載である。また,両氷核活性細菌は,クワノメイガからも初めて見い出された。さらに,野外で凍霜害を受けたクワの芽葉中の氷核活性細菌の生存を調べ,これら細菌とクワの凍霜害との関係を論じた。
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