抄録
Ampelomyces quisqualisは麦芽,酵母エキス寒天培地上では柄子殻のみを形成し,分生子を形成しなかったが,麦芽,酵母エキス液体培地で培養すると7日間で柄子殻および分生子を形成した。振とう培養によって分生子形成量は増大した。各種植物の煎汁で液体培地を調製して本菌の分生子形成量に及ぼす影響を調べたところ,ニンジン,トマト,キュウリの順に形成量を増大させたが,ジャガイモ培地中では菌の成育が見られなかった。ニンジン液体培地で形成させた本菌の分生子とOidium euonymi-japonicaeの分生子とを湿室内のスライドガラス上で培養したところ,前者が後者の表面に寄生している様相が確認された。