抄録
Ralstonia solanacearum (RS)菌液をブロットしたImmobilon-P (I-P)を,RSに対するウサギIgG液,続いてalkaline phosphatase結合抗ウサギIgGヤギIgG液に浸漬後,5-bromo-4-chloro-3-indolylphosphateとnitro blue tetrazoliumを含む炭酸緩衝液に浸漬し発色したところ,検出限界は102cfu/dotであった。根にRS菌液を浸漬接種したトマト苗(品種:大型福寿とLS-89)の地際部断面をI-Pにブロットしたところ,青枯病発病苗ばかりか接種1日後の苗からもRSが検出され,検出限界は105-106cfu/gであった。大型福寿とLS-89を青枯病汚染圃場で栽培し,最下位基部を経時的にI-Pにブロットした。LS-89ではRSは検出されず,青枯病の発病も認められなかった。大型福寿では発病株のみならず未発病株からもRSが検出された。本法を用いて,ハウス栽培の萎凋症状を呈すナスと周囲の未発病ナスからRSが検出できた。以上の結果から,本法は,圃場におけるRSの検出に有用であることが示された。