日本植物病理学会報
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Echinochloa oryzicola(タイヌビエ)へのExserohilum monocerasの感染様式
塚本 浩史津田 盛也藤森 嶺
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1999 年 65 巻 5 号 p. 553-556

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抄録
Exserohilum monocerasは,水田に発生するノビエ類に対する生物除草剤の活性成分として,有用な糸状菌である。本研究では,タイヌビエに対するExserohilum monocerasの感染様式を調べた。すなわち,1葉期のタイヌビエの葉の表面に本菌胞子懸濁液を接種した36, 48あるいは63時間後に,接種葉をラクトフェノール-エタノール水溶液に浸漬し,固定・脱色した後,顕微鏡下で本菌の感染行動を観察した。ほとんどの胞子は発芽管を伸長させた後,表皮細胞の縫合部の上層に付着器を形成し,角皮侵入した。侵入菌糸は表皮細胞中に侵入するか,あるいは細胞間隙を伸展した。また,ごく一部の付着器は表皮細胞上あるいは気孔孔辺細胞上に形成され,それぞれ角皮侵入あるいは気孔侵入を行った。さらに,結露および冠水条件下の宿主葉上における本菌の侵入部位および侵入菌糸の伸長部位を比較したが,重要な違いはなかった。
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