心身医学
Online ISSN : 2189-5996
Print ISSN : 0385-0307
ISSN-L : 0385-0307
大学附属病院での補完・代替医療の試み : 新しい医療システムとしての「統合医療」の提言(日本における代替・相補医療)
竹林 直紀相原 由花垣内 晶代有城 幸男中井 吉英
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 45 巻 8 号 p. 567-574

詳細
抄録

米国国立衛生研究所(NIH)の国立補完代替医療センター(NCCAM)による補完・代替医療(CAM)分類に, 心身相関に基づくアプローチとしてMind-Body Medicineという項目があり, 心理療法(身体疾患も対象とする), 催眠, 瞑想, バイオフィードバック, 気功, ヨーガなど日本における心身医療で用いられているさまざまなアプローチが含まれている.米国ではこれらの療法がそれぞれの専門家により行われているのに対して, 日本では心療内科の医師が心身医学療法として行っている.米国でも, 近年医師自らが鍼治療などのCAMを行ったり各種CAM専門家と連携したりする『統合医療』という新しい概念が広がりつつあり, 大学や研究施設での研究も広く行われている.このような背景から, 日本においてもいずれ新しい医療概念としての「統合医療」が広がると考えられ, その中心としての心身医学や心療内科医の役割が重要になってくる.本稿では関西医科大学心療内科で試みられている統合医療プロジェクトを紹介しながら日本における統合医療の可能性について述べる.

著者関連情報
© 2005 一般社団法人 日本心身医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top