心身医学
Online ISSN : 2189-5996
Print ISSN : 0385-0307
ISSN-L : 0385-0307
青年期鑑別不能型身体表現性障害の臨床経過と随伴する精神疾患に関する検討
端詰 勝敬久松 由華坪井 康次
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 45 巻 8 号 p. 599-606

詳細
抄録

目的: 青年期における鑑別不能型身体表現性障害を不定愁訴が呈される代表的疾患として捉え, 臨床経過と随伴する精神疾患との関連について検討した.方法: 鑑別不能型身体表現性障害患者81名を対象とし, 他の精神疾患の随伴, 人格障害の有無, 受療状況, 生産性の低下について検討した.さらに, 随伴する精神疾患の有無によって二群に分別し, 各項目を比較した.結果: 精神疾患の随伴は48%にみられた.人格障害は36%に認められ, 精神疾患を随伴している方が高率であつた.定期通院している患者は少なく, 身体症状の改善を認めたのは全体患者の25%であり, 学校や職場を休む患者は全体の37%であつた.結論: 鑑別不能型身体表現性障害では精神疾患を随伴しやすく, 社会機能が低下しやすい傾向がある.精神疾患を随伴した患者は精神疾患を随伴していない患者と比べて人格障害を伴いやすいことが示唆された.

著者関連情報
© 2005 一般社団法人 日本心身医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top