交流分析の中で近年発達してきた人格適応論では,パーソナリティのタイプを6つに分類し,それぞれの適応型に応じた治療のアプローチについて詳しく述べている.それぞれのタイプは異なった治療のドアがあり,それを間違えると治療は進まない.人はそれぞれ思考,感情,行動の3つのいずれかの領域が,人間関係を作る入口(治療のドア)になっている.治療のドアには患者と信頼関係を築く最初の入口となるオープンドア,治療により統合が必要なターゲットドア,そして,早期に触れると防衛的になるトラップドアがあり,それぞれ思考,感情,行動のいずれかに当たる.6つの適応型の脚本と課題,治療のドアと治療のアプローチについて,症例を示しながら解説する.